テストとビルド
動作テスト
韮山反射炉のアプリが、うまく動作するかテストしてみます。韮山反射炉のアプリのプロジェクトを、Unityで開いて下さい。そして、Unityのツールバーのプレイボタンを押して、ゲームビューでうまく動作しているかを確認します。うまく動作した場合、マウス操作でカメラの向きを変更したり、キーボードの矢印キーで前後左右に移動できるはずです。韮山反射炉をいろいろな角度から眺めてみましょう。カメラの位置がPlaneの範囲から出てしまうと、カメラは落ちてしまいます。落ちた場合はEsc
キーで、ゲームビューから抜けて下さい。テストを行ってみて、もし反射炉や平面の大きさや位置を移動させたい場合は、シーンビューで微調整して下さい。Unityでは、シーンビューで編集、ゲームビューでテストを行います。これらのビューを切り替えながら微調整を行って、実装を進めます。
アプリのビルド
うまく動作した場合、これで実装が成功です。テストが問題なく完了し、アプリが完成した場合、それぞれのプラットフォーム(Windows、Mac、iOSなど)で動かせるアプリとして、ビルド
することができます。ビルドしたアプリを公開・配布すれば、Unityを持ってないユーザでもアプリを起動して実行することができます。
WebGLとは
この教材では、WebGLに対応したアプリをビルドしてみます。WebGLとは、ウェブブラウザで3Dモデルなど表示できる規格です。Unityでは、WebGL向けにアプリをビルドすることが可能です。なお、WebGL版のビルドでは、UnityのWebGLの追加モジュールのインストールが必須です。この方法は、Unityのインストールで解説していますので、もしWebGLの追加モジュールを、まだインストールしていない場合は読んで下さい。
WebGLのビルド(実行・ファイルの書き出し)
WebGL向けにビルドする設定方法を解説します。Unityで、ビルドしたいプロジェクトを開いてから、File
→Build Settings
のウィンドウを開いて下さい。まず、ビルドするシーンを指定する必要があります。Build Settings
のウィンドウのAdd Open Scenes
のボタンをクリックして下さい。これで、これまで作ってきたScenes/NirayamaScenes
がビルドするリストに追加されたはずです。
次に、ビルドするプラットフォームを指定します。Build Settings
の左側のリストに表示されるプラットフォームのリストからWebGL
を選んでから、Switch Platform
のボタンをクリックして下さい。この操作を行うと、プロジェクトがWebGL向けに自動処理されます。この自動処理が完了したら、ビルド作業を開始できます。
ビルドするには、Build Settings
のウィンドウのBuild and Run
をクリックして下さい。そこで、WebGLアプリのローカルの保存場所を決めて、半角英数字のファイル名を付けて下さい。正常に進めば、ビルドが完了し、ウェブブラウザ(Google ChromeやMozila Firefoxなど)が起動し、ウェブブラウザで韮山反射炉のアプリが起動し、動作テストできるはずです。保存されたフォルダごとファイル一式を、ウェブサーバへアップロードすれば、ウェブサイトでアプリを公開することが可能です。なお、Build Setting
で、Build and Run
とBuild
の2種類の選択肢がある理由は、ビルドを実行し・保存するか、ビルドを保存するだけかの違いです。ウェブブラウザでは、PCのローカルに保存されたWebGLアプリを直接実行できません(ブラウザのセキュリティ確保のため)。このため、開発者がビルドの動作を試す場合、Build and Run
で、Unityからビルド・ブラウザを実行し、動作させることになります。いっぽう、ビルドのファイルを保存する作業だけであれば、Build
を選択します。ただし、この場合、ローカルへ保存したファイル(index.html)を実行しても、そのPC・ブラウザでは起動しないはずです。なお、WebGLのビルドで、よくある失敗例としては、保存するファイル名を日本語文字で付けてしまったため、ビルドに失敗します(保存場所のパス名も含めて、ファイル名は必ず半角英数字にして下さい)
さまざまなプラットフォーム向けのビルド
本教材では、ビルド例として、WebGL向けのアプリのビルドを解説しました。以降では、VR向けのビルドについて解説します。Unityのビルドでは、WebGLやVR向けのビルド以外にも、WindowsやMacなど、さまざまなプラットフォームの選択肢がありますので、試してみても良いでしょう。たとえば、iOS向けのビルドを行った場合、Apple App StoreでiPhone向けのアプリとして公開することも可能です(ただし、アプリ公開のためのApple社の審査を経る必要があります)。