領域分析
本教材は、「領域分析」の実習用教材です。GISソフトウェア(QGIS)を用いた、バッファなどの領域分析の手法について解説しています。本実習と対応する講義用教材として、地理情報科学教育用スライド(GIScスライド)の4章が参考になります。
課題形式で使用する場合は、本教材を一読した後、課題ページへお進みください。GIS初学者は、本教材を進める前にGISの基本概念の教材を確認しておいてください。本教材を使用する際は、利用規約をご確認いただき、これらの条件に同意された場合にのみご利用下さい。
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実習用データ
実習をはじめる前に、tokyoをダウンロードしてください。
スライド教材
本教材は、スライド_領域分析としても、ご利用いただけます。
バッファ
バッファは、地物からの距離に応じて、一定の領域を作成する手法です。以下では、QGISと実習用データを利用し、ポイントデータからバッファを作成する手法や、一定の距離に区切った多重リングバッファを作成する手法について解説します。加えて、バッファで作成した領域を用いた、空間検索の手法も解説します。
点バッファの作成
以下では、バッファの例として、東京都のコンビニデータを利用し、コンビニから500mのバッファを算出し、空間検索でバッファと重なる郵便局を抽出する。まず、バッファを作成するために、ベクタ>空間演算ツール>バッファ
を選択し、以下の手順を実行する。
- コンビニのポイントデータを選択(※事前に投影座標系であることを確認しておくと良い)。
- 距離を500と設定。
- 円を近似させる線分の数10を入力する。(数が多いほどきれいな円になる)。
- 出力先と名称を指定。
- OKをクリック。
(左)各コンビニから500mのエリアが表示できた。
(右)結果を融合にチェックをいれた場合の例。
線バッファと面バッファ
同じ方法で、ラインやポリゴンからのバッファも作成できる。
空間検索を利用した抽出
以下では、空間検索を利用して、バッファと重なる地物を選択する手法について解説します。
ベクタ>調査ツール>場所による選択
をクリックする。
- ソース地物の選択、郵便局を選択。
- 交わるをチェック。
- バッファを選択。
- 実行をクリック。
下の図のように、コンビニから500m圏内の郵便局が選択された。
多重リングバッファ
多重リングバッファを実行するため、プラグイン>プラグインの管理とインストール からMulti-distance buffer
をインストールする。
プラグインをインストール
をクリックする。
ベクタ>Multi-distance buffer>Multi-distance buffer
から以下の手順で多重リングバッファを作成する。
- コンビニを選択。
Add
で距離を追加。- 出力レイヤ名を入力。
- OKをクリック。
100mごとの多重リングバッファができた。名前をつけて保存
から新規レイヤとして出力する。
属性データを用いて、100mごとの色分けを行う。
下の図のように、100mごとの多重リングバッファの表示が変更された。
ボロノイ分割
ボロノイ分割は、複数ある地物の位置関係に応じて領域を作成する手法です。この手法では、複数ある地物間の最近隣勢力圏に応じて、地域を分割します。ボロノイ図を作成することで、最近隣勢力圏を求めることができます。以下では、QGISとコンビニのデータを用いて、ボロノイ分割を行う手法について解説します。
ベクタ>ジオメトリーツール>ボロノイポリゴン
から、以下の手順でボロノイ分割を実行する。
- コンビニを選択。
- 出力場所と名称を入力。
- 実行をクリック。
※バッファ領域の値が大きいほど、ボロノイポリゴンの一番外側の領域が大きくなる。
以下のように、ボロノイ領域に分割された。ここでは、属性テーブルとして、ポイントの情報を保持していることを確認すると良い。
ドローネ三角形
複数の地物から最も近い点を結び合わせ隣接関係を定義する手法としてドローネ三角形があります。以下では、QGISを用いてドローネ三角形図を作成する手法について解説します。
ベクタ>ジオメトリーツール>ドローネ三角形分割
から、以下の手順で、ドローネ三角形分割を実行する。
- コンビニを選択。
- 出力場所と名称を入力。
- 実行をクリック。
以下のように、ドローネ三角形による領域分割ができた。
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