ネットワーク分析

 本教材は、「ネットワーク分析」の実習用教材です。GISソフトウェアを用いた、最短経路検索や到達圏検索の手法について解説したものです。ソフトウェアには、無償で利用できるQGISとGRASSを用いています。

 課題形式で使用する場合は、本教材を一読した後、課題ページへお進みください。GIS初学者は、本教材を進める前にGISの基本概念の教材を確認しておいてください。本教材を使用する際は、利用規約をご確認いただき、これらの条件に同意された場合にのみご利用下さい。

使用データ

 実習をはじめる前に、以下のデータをダウンロードしてください。なお、すべてのデータをJGD2000の平面直角座標系第Ⅲ系で統一する。国土数値情報のデータはダウンロード後に「JGD2000の平面直角座標系」へ座標変換する。国土数値情報データの読み込み時に空間参照設定のウィンドウが表示されたら、JGD2000を選択(今回の場合)した後に、変換を行う。

  • 「国土交通省国土政策局「国土数値情報(島根県 行政区域、道路、消防署、医療施設データ)」  ※道路データは、旧 統一フォーマット形式GML(JPGIS2.1)からダウンロードする。

    ダウンロード手法は、[既存データの地図データと属性データ]の教材を参考とする。座標系の変換手法は[空間データ]の教材を参考とする。

    国土数値情報の座標変換が上手くいかない場合は、よくある質問とエラー:国土数値情報の変換を参照

スライド教材

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ネットワーク分析とは?

 GISでは、道路などのラインデータ等を用いて任意の地点間の経路等を求める場合等にネットワーク分析が用いられます。 分析の対象となる地物との関係を求める際に、グラフ・ネットワークが用いられます。 グラフとは、頂点(node)と2点の頂点を結んだ辺(edge)からなり、ネットワークはグラフの頂点や辺に意味づけを行ったものです。以下では、道路データを用いて、距離をもとにした経路検索について解説しています。ネットワーク分析の詳しい解説については、地理情報科学教育用スライド(GIScスライド)の4章を参考にして下さい。

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最短経路検索

以下では、QGISの道路グラフプラグインを使用して、2点間の最短距離を求める手法について解説しています。

国土数値情報からダウンロードした道路データを読み込む。 最短経路検索

ベクタ>道路グラフ>設定から、道路グラフプラグインの設定を行う。 最短経路検索

時間単位、距離単位を選択し輸送レイヤをroad(ラインデータ)に設定する。 タブをデフォルト設定に切り替えスピードを入力(60km/h)。 最短経路検索

アイコンの表示されていな部分で右クリックすると、プラグインの切り替えウインドウが表示される。最短経路にチェックをいれる。 最短経路検索

表示されている道路を基準にして、経路を検索したい二点の場所をクリック。 最短経路を表示するウインドウに検索結果が表示される。 経路を消したい場合は、クリアをクリックする。 最短経路検索

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ネットの分割

以下では、QGISとGRASSでネットの分割を行う手法について解説しています。ネットの分割をすることによって、任意の地点から指定した長さごとに道路を抽出することができます。

GRASSでシェープファイルを読み込むための準備を行うため、新規マップセットをクリックする。 データベースを保存するディレクトリを選択する(あらかじめ空のフォルダを作っておくと良い)。 ネットの分割

新しいロケーション名を任意で入力し、座標系を選択する。 ネットの分割

現在のQGISの範囲を設定をクリックし、新規マップセット名を入力する。 ネットの分割

新規マップセットの作成が完了した。 ネットの分割

GRASSツールをクリックする。モジュールリストのタブに切り替え、フィルターにv.inと入力しロードされたベクタをインポートする(v.in.ogr.qgis) を選択し、シェープファイルを読み込む。 ネットの分割

タブを切り替え、ロードされたレイヤ(QGISで読み込んでいるシェープファイル)からGRASSで読み込みたいデータを選択する。 出力するベクトルマップ名を入力し、実行をクリックする。 ネットの分割

同様の作業を繰り返し、データを読み込む。 データの読みが一通りできたら、タブをブラウザに切り替え、データが読み込まれていることを確認する。 ネットの分割

表示したいデータを右クリックし、選択した地図をキャンバスに追加する。この時、データが重複するためQGISのデータは消しておく。

ネットの分割

同様の手順を繰り返し、データを表示する。 ネットの分割

グラフを作成する

ラインとポイントが重ならない別のデータであるため、ネットワーク分析ができるようにデータを加工する。 グラフを作成

GRASSツールを開き、モジュールツリーにタブを切り替える。 ネットワークメンテナンスをクリックし、タブを切り替えラインデータとポイントデータを選択する。 実行するオペレーションをconnectにして、出力するベクトルマップ名を入力し、実行をクリック。 グラフを作成

ブラウザタブに切り替え、作成したデータを表示する。 グラフを作成

ラインがポイントまでつながるようになり、ネットワーク分析ができるようになった。 グラフを作成

ネットを分割する

GRASSツールを開き、モジュールツリーにタブを切り替える。 ネットワークを等費線で切断する をクリックする。 ネットを分割

作成したデータを選択する。 等値線のコストをmで入力し、出力するベクトルマップ名 を入力する。 ネットを分割

ブラウザタブに切り替え、作成したデータを表示する。 ネットを分割

プロパティからスタイルを変更する。 等値線で入力した値ごとに色分けをする。 ネットを分割

道路に基づいた消防署までの到達距離が表示できた。 ネットを分割

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NetworkAnalystToolを用いた分析

 GRASS GISでは、ネットワーク分析用のツールが用意されています。以下では、GRASS GISで利用できるVector Network Analysis Toolの使い方と様々なネットワーク分析について解説しています。  GRASSのみを利用するときの、データの格納と読み込みの仕方は、GRASSビギナーズマニュアルを参照。

ベクタ>ネットワーク解析>Vector Network Analyst Toolを選択する。 Vector Network Analyst Tool を利用するため、作成したグラフを選択しておく。 NetworkAnalystTool

コストを追加する

Input tables タブに切り替え、ウインドウを拡大し属性テーブルを表示する。 属性テーブルを編集して、コストを追加していく。 コストを追加

フィール名の上で右クリックして、列の追加をする。 列名を入力し、データ型を選択する。 コストを追加

線の長さを追加する

新規に作成したフィールドの上で右クリックし、計算(数値カラムのみ) →ライン長を選択する。 空のフィールドに、ラインの長さが計算され、追加される。 コストを追加

速度を追加する

フィール名の上で右クリックして、列の追加をする。 列名を入力し、データ型を選択する。 速度を追加

Constraint for query (WHERE clause)にチェックを入れる。 検索ウィンドウに式を入力する。 速度を追加

UPDATE データ名 SET 計算したいフィールド名 = 入力したい値(80km/h)  WHERE 分類に用いるフィールド = 分類に基づく値

今回の場合は、N01_001のフィールドにある1-3の値に応じて、速度を分類して計算している。 N01_001列で1の値を持つフィールドと同じ行にあるspeed(新規の列)の値を80km/hとしている。列、値ウインドウの表示をクリックすると検索ウインドウに入力される。

速度を追加

N01_001列で1の値を持つフィールドと同じ行にあるspeed(新規の列)の値が80km/hとなった。 速度を追加

N01_001の2と3の値と同じ行のspeed列の速度も計算する。 速度を追加

時間を追加する

time列とコスト列をcost列を新規に追加する。 時間を追加

長さ÷スピード×60 =時間 time列とcost列を計算する 時間を追加

下の図のように、コストが追加された。

時間を追加

ワークスペースの保存

ワークスペースの保存 ワークスペースを保存しておくことで、作業の途中経過を保存することができる。 入力したデータそのもの変化せず、表示範囲や色分けなどが保存される。

カラー調整

ベクトル>カラー調整>Manage color rules interactively から速度ごとに道路を色分けする。注意が出るが はい をクリックする。重たい処理になるのでPCがフリーズする可能性がある。 カラー調整

Use color column instead of color table: にチェックを入れ、列を追加をクリックし、OKをクリックする。 カラー調整

データの上で右クリックし、属性データを表示 をクリックする。 カラー調整

GRASSRGBという列ができている。この列で色を指定する。 カラー調整

まず、全データを赤色にするため、新規の列の全フィールドを ’255:0:0’ にする。 カラー調整

ベクトル>カラー調整>Manage color rules interactively を選択する。 Use color column instead of color table: にチェックを入れ、適用、OKをクリックすると色が変わる。 カラー調整

同様の手法で、速度ごとの色分けもできる(エラーがでるが表示される)。 カラー調整

Vector Network Analysis Tool について

パラメータータブをクリックし、分析したいデータを選択しておく。 Vector Network Analysis Tool

分析手法を選択し、Points タブをクリックする。 Vector Network Analysis Tool

ポイントのタイプを選択し(分析手法によって異なる)、地図が表示されているウインドウを開く。 地図ウインドウを利用して、ポイントを移動させ、始点と終点の位置を決める。 Vector Network Analysis Tool

ポイントの位置が決まったら、赤枠の右向き三角ボタンをクリックする。最短経路の検索が始まる。 Vector Network Analysis Tool

コスト値を追加する

コスト値を追加する

コスト値を追加する

最短経路検索・・・ネットワークの最短経路を検索する

巡回セールスマン問題・・・条件づけをした経路検索

最大流量・・・ネットワーク上にある2セットのノード間の最大フローを計算する

サブネット設定・・・最も近接する中心点からサブネットを配分する(時間や距離によるネットの分割が可能)

フィーチャー間の最短経路・・・所与のフィーチャーセット間のネットワークを経由する最短経路を計算

ネットの分割・・・コスト値によってネットを分割

最短経路検索

コスト値なしで最短経路の検索を試してみる。 最短経路検索

同じ地点で、コスト値を設定して、最短経路の検索をする。 コスト値ありとなしでは、検索結果が変化することを確認する。 最短経路検索

巡回セールスマン問題

ポイントを追加して、巡回に適した最短経路を検索する。 巡回セールスマン

サブネット設定

ポイントを中心としたネットワーク圏を検索する。 サブネット設定

ネットの分割

ポイントを中心に指定した距離ごとにネットを分割する。 Iso lines: で距離を設定する。 サブネット設定

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ライセンスに関する注意事項

本教材で利用しているキャプチャ画像の出典やクレジットについては、その他のライセンスについてよりご確認ください。

教材の利用に関するアンケート

 本プロジェクトでは、教材の改良を目的とした任意アンケートを実施しています。ご協力いただける方は、アンケートにお進みください。ご協力のほどよろしくお願いいたします。

※ 本アンケートの成果は、教材の改良のほか、学会での発表等の研究目的でも利用します。また、本アンケートでは、個人が特定できるような質問は設けておりません。

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