3Dプリンタ

この教材では、3Dプリンタによる地形模型の出力手法について解説しています。3Dプリンタの概要や地理院地図とQGISで地形模型(STLファイル)を作成する手法およびSTLファイルの簡単な編集手法について解説しています。また、3Dプリントのデモ動画やプリント時の注意点なども解説しています。

※ この教材を作成する過程で、三好由起(東京大学空間情報科学研究センター) 氏と田村賢哉( 首都大学東京大学院 システムデザイン研究科インダストリアルアート学域 博士課程 / NPO法人伊能社中 理事長 ) 氏に協力を頂きました。

三好由起 氏には、プロトタイプの3Dモデル作成や機器および原料の選定に関するアドバイスをいただきました。

田村賢哉 氏には、自身の博士研究の成果の一部である地形モデルの効果的な見せ方や印刷手法に関するアドバイスをいただきました。

3Dプリンタとは

3Dプリンタは、原料を一定の厚みで積層し、立体的な模型を出力する装置です。原料は、プリンタの積層方法によって異なります。熱溶解積層法式では、ABS樹脂、PLA樹脂が用いられ、光造形では、光硬化性樹脂が用いられます。その他に、紙や石膏を原料としたものなどがあります。また、モデルに着色ができるかは、使用している原料やプリンタの種類によって変わります。

3Dプリンタの種類や原料については、国土地理院HPの立体模型をつくるのページが詳しい。

▲ menuへもどる

地理院地図でモデルの作成

以下では、地理院地図で3Dモデル(STLファイル)を取得または作成する手法について解説します。簡単に3Dモデルを作成する際に利用できます。

地理院地図を開き、モデルを作成したい範囲を選択し、3Dボタンをクリックする。 カスタムから範囲を指定し、OKをクリックする。 gsimaps2stl

STLファイルをクリックのダウンロードボタンから、データを保存する。 gsimaps2stl

▲ menuへもどる

QGISでモデルの作成

以下では、QGISで3Dモデル(STLファイル)を作成する手法について解説します。以下の教材では、基盤地図情報の5mDEM(高松市周辺)を利用しています。

QGISで平面直角座標系に、変換したラスタデータを読み込む。 プラグインからプラグインの管理とインストール>Qgis2threejsを読み込む。

gsimaps2stl

① Qgis2threejsのアイコンをクリックする。② FileExport.htmlを選択する。 ③ STL化するDEMを指定する。 ④ Runをクリックするとhtmlファイルが開くため、そこからSTLをダウンロードする。htmlが開かない場合は、Resamplingのバーを左に動かす。デフォルトで作成するモデルは、QGISで表示している範囲と関係する。 gsimaps2stl

sidesやframeにチェックを入れると土台を付けることができる。

※土台の結合には、STLを編集するソフトウェアが必要。

gsimaps2stl

▲ menuへもどる

STLの編集

作成したモデルに土台を作成したり、範囲の切断などの編集をするには、STLモデルを編集するソフトウェアを利用します。以下では、フリーで利用できるoutodesknのMeshmixerを利用して、STLモデルを編集する手法について解説します。

Meshmixerは利用環境によって安定しないことや処理速度が低いことがあるため、有償ソフトウェアの日本ユニシス・エクセリューションズ株式会社のPOLYGONALmeister等と連携して使用するとことが望ましい。

Meshmixerのインストール

Meshmixerの提供ページからMeshmixerのインストーラーをダウンロードする。インストーラーに従い、Meshmixerをインストールする。 gsimaps2stl

モデルのインポート

Meshmixerを起動し、インポートからQGISで作成したSTLを読み込む。 gsimaps2stl

※QGISで土台を作成した場合などモデルが2つある場合は以下のように結合する。

モデルの結合

QGISで土台を作成している場合は、2つモデルができるため、片方のファイルを先に読み込んだ後に、もう片方のファイルをドラックアンドドロップする。「追加」と「置き換え」のうち、「追加」をクリックする。オブジェクトブラウザに2つレイヤが追加されていれば、読み込みができている。オブジェクトブラウザが表示されない場合は、ビュー>オブジェクトブラウザを表示をクリックする。 gsimaps2stl

①片方のファイルをオブジェクトブラウザで選択(クリック)する。②次に結合するファイルをShiftキーを押しながら選択する。③メニューが表示されるため、結合をクリックする。 gsimaps2stl

モデルの切断

Meshmixerでモデルの切断をする場合、以下のように行う。

gsimaps2stl ① 編集>面でカットを選択する。② モデル上で切り取りたい方向にドラックしてラインを作成する。作成したラインの微調整は、赤、緑、青の矢印をドラッグして行う。この画面の場合、縦方向への移動は赤、横方向の移動が緑となる。青は切り取る面の角度を調整できる。

③ 切り取る面(破棄する面)を選択する。④ 適用をクリックすると切断することができる。

gsimaps2stl

※ この時、切断面の穴埋めがうまくいかない場合がある。その場合は事前にソリッドを作成し、切断後に中穴を作成するなどの処理が必要になる。

STLの書き出し

エクスポートをクリックして、STLファイルを任意の場所に出力する。3Dプリントする際に、出力したファイルを用いる。ソフトウェアを閉じる際に作業ファイルを保存しておくと良い。 gsimaps2stl

▲ menuへもどる

プリントデモ

以下では、UP BOX+を用いて地形模型出力する様子を動画教材で解説しています。この教材では、出力した模型が分かりやすいように高さ倍率を2倍にしています。

※ この下に動画が表示されない場合は、動画を表示するをクリックするか、Gitbookページのプリントデモで閲覧してください。

▲ menuへもどる

地形モデルの印刷

積層

3Dプリントでは、印刷時に層の厚みを設定し、それに応じてモデルをスライスします。印刷は層ごとに実行され、出力した層の上に次の層が積層されます。モデルの精巧さは、スライスした層の厚みと数によって決まります。層の厚みは、プリンタの種類によって異なり、上記で利用しているUP BOX+では、最小で0.1mmの積層が可能です。一方で、層の厚みを薄くするほど印刷に時間がかかり、ノズル詰まりが起きやすくなります。

モデルの起伏

地形模型の印刷では多くの場合、標高の値に対してデータの範囲を広くとるため、平坦なモデルが出力されます。広い範囲の地形模型を出力する場合は、高さ倍率を調整する必要があります。

スライス数と表面形状の関係

モデルを印刷台に設置するときの向きによって、モデルの表面の滑らかさに違いが生じます(XYZが同一比の場合を除く)。図A,Bでは、印刷台に対して地形面を水平に設置した場合(下図左)と、印刷台に対して地形面を垂直に設置(下図右)した場合を比較しています。下図左では、右に比べスライス数が少なくなります。そのため、等高線を切り抜きそれを積み上げたように造形されます。一方で、下図右をみるとスライス数が多いため、波食台が滑らかに表現できていす。

gsimaps2stl 図A モデルの設置方向の比較(上記の場合、右の方がスライス数が多くなる)

gsimaps2stl 図B 0.3mmで積層した雀島の地形模型(左:地形面水平設置法:124スライス 右:地形面垂直設置法:273スライス)

※ 地形の滑らかさには、印刷している層と次層との範囲の差も影響する。印刷台に地形面を水平に設置した場合でも、印刷している層と次層との範囲が大きく変わらない急峻な山地部等では、比較的滑らかに地形が造形できる。

▲ menuへもどる

results matching ""

    No results matching ""